二一九 十一月十一日小樽より 沢田信太郎宛


 

今日はどうしても杜長に逢ふ時間なしとの事、但し明日は小樽に来る由故、残念乍ら此儘帰り候、尤も兄の事其他概略手紙に書いてやり候、

委細明日社長と会見の結果。

今日四時の汽車にて帰り候、結果は手紙か又は再び札幌に来るかの二つの道によりて御知らせ可致候

  十一日午後一時半           啄木

 天峰兄 侍史

 


※テキスト/石川啄木全集・第7巻(筑摩書房 昭和54年) 入力/新谷保人

1